経営判断に必要な情報を迅速に。システム導入で管理視点と体制が整った。―アルプラス株式会社のDX

経営判断に必要な情報を迅速に。システム導入で管理視点と体制が整った。―アルプラス株式会社のDX

アルプラス株式会社では、2020年頃から事業運営における大きな課題が顕在化していました。

「利益や原価が見えない」「会計システムと連携できず手作業で修正」「欲しいデータが見つからない」——。

旧システムは、導入から年数が経過するなかで、現場の業務量や管理ニーズに対応しきれなくなっていました。 そんな中、以前から定期的に連絡をもらっていた営業担当の顔を思い出し、ふと相談してみたことが、ProAxis導入への第一歩となったのです。

本事例のポイント
  • システムに合わせたことで、業務が自然とスリム化。「属人化」や「ムダな作業」が削減された
  • 入力に慣れるまでは苦労もあったが、“入れた情報が活きる”という実感が安心感に
  • CAD・帳票電子化システム・スケジューラとの連携など、業務全体の最適化を目指す予定
目次

「ProAxis」導入のきっかけ

見積から入金まで“分断のない業務フロー”が決め手に。
業務改善まで伴走する“コンサル型”サポートが他社との違いだった

導入にあたっては、競合他社の生産管理システム2社と比較検討を実施しました。

他社製品では「会計システムとの連携がうまくいかない」など、機能面での課題に加え、単なるシステム提供にとどまり、業務改善まで踏み込んだ提案がなかったことが懸念点でした。

一方でキッセイコムテックのProAxisでは、提案段階からこちらの課題に対して丁寧に向き合い、改善視点で寄り添ってくれるコンサルティング的な関わり方をしていただけました

そのためシステムの置き換えだけではなく、「自社業務そのものを見直すきっかけ」となり、業務フロー全体を最適化できると確信できたのです。

選定の決め手となった3つのポイント
  • 案件ごとの進捗と原価を「1画面で」一元的に把握できる
  • 見積~入金まで、分断なくつながる ⇒ “業務フローの一貫管理”が可能
  • データ出力の柔軟性が高く、会計システムへのスムーズな連携が実現できる

本当の課題は「現場」ではなく、
現場を支える“従来システムの限界”だった。

見積の積算段階からデータを登録し、「見積 → 受注 → 生産 → 請求 → 入金」までを一連の流れとして管理できる体制を目指していました。

特に課題だったのは、取引先ごとに異なる消費税端数処理の違いにより、システム間の差異が発生し、手作業で調整せざるを得ない点。これをシステム側で自動吸収できる仕組みが必要でした。加えて、次のような日常業務の効率化・情報活用のしやすさも求めていました。

  • 現場担当者が各自の端末から直接入力できる仕組み
  • 部品・製品の関連情報や受注実績の検索
  • CSV形式での出力やデータ加工の自由度

また、従来のシステムでは案件が複数レコードに分割されるため、案件単位での正確な原価管理ができないという問題も抱えていました。システムそのものを見直し、業務を“つなぎ”、 正確な原価管理と現場の効率化を両立させる―― その視点で選んだのが、ProAxisでした。

これだけは欲しかった機能
  • 現場から直接入力できる操作性(個人端末対応)
  • 案件単位の進捗・原価の一括管理
  • 柔軟なデータ出力(CSV形式)
  • 会計システムとの連携性
  • 関連情報の検索機能(部品⇔製品、顧客別履歴 など)

▲ 丸刃スライサーMSU

▲ 超音波ハーフカット機HC200

導入支援の印象

何を聞けばいいかも分からない」導入初期。 毎週の対話で、一歩ずつ前進できた。

システム導入当時は、生産管理担当者1名に全てを任せる体制で、負担が大きい状況でした。

何から手をつければよいのか、誰も明確に答えられず、「何を聞けばいいか分からない」という手探りのスタートでした。

と当時を振り返りながら話す担当者。インタビューは続きます。

―そんな中でも、キッセイコムテックの担当者が毎週訪問し、定例の対話を重ねる中で課題が整理され、社内の認識も少しずつ揃っていきました。

ただシステムを導入するのではなく、業務の棚卸しから伴走していただいた感覚でした。無理に「今のやり方にシステムを無理に合わせる」のではなく、パッケージの仕組みに合わせて業務を整えていくことで、自然とスリムな運用に。
当初は限られた体制でも、丁寧に寄り添っていただいたおかげで、無理なく前進できました。

「この進め方なら安心して任せられる」と実感できたことが、社内全体を動かす原動力になりました。

和気あいあいとした打ち合わせのひとコマ

和雑談も交えながら、和やかに。

でも話すときは真剣に。

そんな信頼関係が自然と築かれていました。

導入後の効果

過去の実績も“見える化”。属人化を解消し、次世代教育とにつながる仕組みへ。

ProAxisの導入により、「誰が・いつ・何をしたか」といった対応履歴がすべて記録として残るようになり、過去の実績の“見える化”が実現しました。

具体的には、応履歴や購買履歴をいつでもすぐに確認できることで、業務の再現性が高まりました。以前は、人によって入力内容にばらつきがあり、「同じものを買ったのに記録が異なる」などのミスも頻発していましたが、現在では入力ルールの標準化が進み、こうしたミスも解消。

古くからいる社員の中にはシステム導入に抵抗感もありましたが、ベテラン社員の経験や記憶に頼る業務が多く、「見て覚える」教育に限界を感じていた部分も。今ではシステムをベースに新人教育のマニュアル化やOJT支援ができる体制が構築されつつあります。

実績データを蓄積し、活用できる環境ができたことで、日々の業務だけでなく、将来を見据えた“振り返り”や“改善”にもつなげられるようになりました。

ProAxisを“土台”にして、次のステップへ一緒に進めるのが楽しみです!

導入を終えて

ProAxisを起点に、データ活用の次のステージへ。
CADや帳票連携を視野に、さらなる業務連携とDXを推進していく。

ProAxisの導入により、実績データの蓄積と活用が日常業務の中に根付き、時間集計や進捗確認といった工程管理の“見える化”が大きく前進しました。

今後はこの基盤を活かし、CADとの連携による設計情報の統合や、帳票出力システムでの書類作成の効率化、スケジューラ連携など、業務全体を貫くデジタル化の実現を目指しています。

単なる“便利なツール”としての導入にとどまらず、ProAxisを中核とした業務プロセス全体の再設計と最適化を継続的に行うことで、現場と経営層の両方にとって価値あるDXを推進していきます。

取材にご協力いただきました

管理部 部長
小熊様

何よりキッセイコムテック社の信用が大きかったですね。あとは営業マンの人柄でしょうか。

どんなに優れた製品でも、寄り添ってくれる担当者がいなければ導入は進まないと感じました。かつて地元のシステム会社に構築してもらったレガシーシステムでは対応できなかった、「原価の正確な把握」や「業務の見える化」を、ProAxisで実現できたことが有り難いです。

生産管理部 副部長
原様

導入後は「とりあえず使ってみる」という姿勢からスタート。正確にデータを入力すれば、「誰が・いつ・何をしたか」が可視化でき、過去の実績や履歴がすぐ取り出せという安心感が徐々に社内に浸透していきました。

時間集計や実績分析もスムーズになり、業務効率が向上。「あれはどうなっている?」という他部署からの質問にすぐに答えられるのが良いですね。

アルプラス株式会社様、貴重なご意見・ご感想
ありがとうございました。

↓ ↓ ↓ 今回導入したのはこちら ↓ ↓ ↓

「量産」にも「個別受注」にも対応できる生産管理・債権債務管理システム「ProAxis」
ProAxis

キッセイコムテックは、製薬メーカーの情報システム部門から独立した開発チームです。「トレーサビリティ」「厳格な工程管理」「複雑な原価計算」など、高度な管理レベルが求められる環境で40年にわたりIT部門として伴走。これまでに、2,000社以上の導入実績を積み重ねてきました。
製造業のリアルな課題に向き合いながら、 本気で開発したのが生産管理システム「ProAxis(プロアクシス)」です。

見える化も徹底されており、販売計画や所要量計算の結果と最新の実績に基づく需給予測から、安全在庫割れや作業・発注のリードタイム割れをタイムリーに確認できます。その上で、適切に要因を調整し、納期を遵守します。「ProAxis」で見える化することで、業務が格段に効率化することも期待できます。

万全のサポート体制

「ProAxis」導入にあたっては、要件定義から本稼働まできちんと導きます。

本稼働後もお客様ごとに専用の保守問合せ窓口を用意し、サポート体制を敷いていきますので、不明な点やトラブルがあったらすぐに問い合わせすることができます。

全てお任せできる安心感

IT基盤の整備は、事業拡大や新しい取り組みを成功に導くための土台です。
当社では、その実現をトータルでサポートいたします。ご不安やお悩みがあれば、どうぞお気軽にお問い合わせください。

私たちが導入しました

営業担当
ビジネスソリューション事業部
第2営業部
安藤

ご相談いただいた当初に伺っていた「経営判断に必要な情報を出すのが大変」「操作がしづらい」といったお悩みをしっかり解決できると確信し、自信を持ってご提案させていただきました。

導入時には、ProAxisの機能をしっかりと理解いただき、スムーズに本稼働まで進められたことを、とてもありがたく感じています。これからも運用面のサポートはもちろん、さらなるご提案を通じて、アルプラス様の事業にもっと役立てていただけるよう、しっかり伴走していきたいと思っています。

サポート/保守担当
ビジネスソリューション事業部
第3システムソリューション部

有賀

今回、お客様がこれまで悩まれていた「棚卸単価の算出や作業日報の二重入力といった課題」を一つずつクリアにすることを目指しました。

受注から購買・製造・出荷・売上までをProAxisワンシステムで一元管理可能になり、業務の流れ、「どこで何が起きているか」が見える化しました。また、会計システムとの連携により、仕訳の入力作業や決算資料づくりもグッと楽になったと感じていただけました。 今後もソフトウェアだけでなく、ハードウェアやネットワーク、インフラまでをワンストップで支援できる体制で、しっかりサポートしていきます。

企業プロフィール

アルプラス株式会社
https://www.arplus.co.jp/

所在地:長野県伊那市西箕輪7130-1
設立:1982年4月  資本金:2億3550万円
従業員数:63名  売上高:15億3700万円
事業内容:サンドイッチスライサー等を開発・設計・製造・販売、食品加工機の製造、精密板金加工

アルプラス株式会社は、長野県伊那市に本社を置く企業で、食品加工装置の製造や精密板金加工を行っています。1979年創業、食品加工機械分野に進出して以来、国内外に製造拠点を持ち、幅広いお客様に安心・安全なスライサー・カット機等を提供しています。主力はオーダーメイド感覚の食品製造装置事業。ステンレスやアルミの精密板金加工を行い、装置開発・提案を行っています。食品製造装置40年のノウハウを活かし、常に技術革新を追求しています。

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