20年使い続けた基幹システムから、ProAxisで複数部門を一つに。その決断が全社を変えた。―宮坂ゴム株式会社のシステム刷新

- 約20年使い続けた基幹システム
- 部門ごとに異なる運用
- 見えにくい在庫と、属人化した現場
宮坂ゴム株式会社では、こうした状況の中で、全社的な生産管理の在り方を見直すタイミングを迎えていました。
そこで生産管理システム「ProAxis」を導入。部門ごとに分かれていた業務を統合し、工程に沿った標準化や在庫の見える化を推進しました。本記事では、同社がProAxis導入によってどのように業務を変革し、在庫精度や現場運用を改善していったのか、そのプロセスを詳しく紹介します。
- 老朽化した基幹システムを刷新し、部門分断を解消した
- 担当者ごとの経験や頭の中のルールに頼っていた運用を、システム上のマスター・工程ルールへ落とし込み、標準化を推進した
- 従来より在庫メッシュが細かくなり、毎月行っていた棚卸作業が年2回に削減
「ProAxis」導入のきっかけ
「ProAxis」導入のきっかけ
部門ごとに業務の仕組みが分断されていた
部門ごとに業務の仕組みが分断されていた
宮坂ゴム株式会社では、ゴム製造部・プラ製造部・FNP事業部という3つの部門があり、それぞれが独立した形で業務を行っていました。
ゴム・プラ部門では、社内で「MMS」と呼ばれていた既存システムを約20年使用していました。
レガシーシステムですね。
改造を重ねながら運用してきたものの、もともと販売管理寄りの仕組みであり生産管理として必要な工程管理・仕掛管理・実績管理といった機能が十分ではなかったのです。
特に、仕掛品がどこにあるのか、どの工程まで進んでいるのか、実在庫とシステム上の在庫が合っているのかといった点が見えづらかった
またサーバーも老朽化していたため、現場からも刷新を求める声が出ていました。
一方、FNP事業部では合併前から使用していた別システムを継続利用していました。
合併は2013年ということで、こちらもだいぶ古いシステムですね。
こちらも老朽化が進み、請求書出力などの業務にも支障が出る状況になっていました。
結果として、ゴム・プラ部門、FNP事業部の双方で、ほぼ同じタイミングでシステム刷新の必要性が高まっていたということになります。
展示会・紹介を通じた情報収集と複数社比較
展示会・紹介を通じた情報収集と複数社比較
システムの比較・検討はどのように進んだのですか?
特定の製品に絞るのではなく、まずは広く情報収集を行うことからスタートしました。展示会にも行きましたね。
展示会への参加や取引先からの紹介などを通じて、生産管理システムに関する情報を収集し、複数のベンダーと接点を持ちながら比較検討を進めていきました。
その後、候補となる各社から実際にプレゼンテーションを受け、機能や操作性、運用イメージなどを具体的に確認。ゴム・プラ部門だけでなく、FNP事業部のメンバーも含めて検討に参加し、現場目線と全社視点の両面から評価が行われました。
「ProAxis」を導入した決め手
「ProAxis」を導入した決め手
ProAxisを選んだ決め手はあったのでしょうか?
最終的な決め手として大きかったのは、ゴム・プラ・FNPという複数部門を、1台のサーバーで運用できる点でしたね。
複数部門を1台のサーバーで統合できる
複数部門を1台のサーバーで統合できる
比較検討したシステムの中には、部門ごとにサーバーを分けて運用する前提の提案もあり、結果として“システムは新しくなるが、分断構造は残る”という懸念がありました。
一方、ProAxisでは、1台のサーバー上で複数部門を一元管理できる構成が提案されました。
サーバーを統合することで、初期投資や運用コストの抑制にもつながります。「全社最適な管理を実現しながら、運用もシンプルにできる」という点が評価され、重要な選定ポイントとなりました。
またProAxisには必要な機能が十分そろっていたことも大きかったです。
必要な機能が揃っていた
必要な機能が揃っていた
生産管理システムにおいては、必要な機能が標準で備わっていることは、必ずしも当たり前ではありません。
すべての要件を標準機能だけで満たすことが難しいからです。
その点、ProAxisは生産管理・在庫管理・発注管理といった基本機能に加え、MRP(資材所要量計算)など、宮坂ゴム株式会社が求めていた機能を標準で備えていました。
特に重要だったのが、「MRPによる発注手配の効率化」です。
従来は、必要な部材を人が判断しながら手作業で発注しており、品目点数が数万点に及ぶ中で、手配業務に多くの時間と負担がかかっていました。そのため、必要量を自動計算し、効率的に発注につなげられるMRP機能は、導入における重要な要件となっていました。
また、単に機能があるだけでなく、「実運用として使えるか」という観点でも評価が行われていました。
比較検討の中では、操作性が優れている製品もあった一方で、部品コードの桁数が不足する可能性があるなど、自社の業務要件に適合しないケースもありました。
導入支援サポートも大きな安心材料となりましたし、WELLSearchという独自機能があることも重要なポイントでしたね。
引き続き詳しくお聞かせください。
- MRPによる手配など、実務レベルで使える機能
- 独自機能「WELLSearch」の帳票出力・Excel連携
- 営業・サポートがプロジェクトを一緒に進めてくれる
- メールでの問い合わせにも迅速かつ丁寧で、不安なく導入を推進できる
- 複数部門を1台のサーバーで統合できる
- 必要な機能が標準で揃っている
- 部品点数が多くても対応できる
- 導入前から導入後まで伴走する手厚いサポート体制



導入支援の印象
導入支援の印象
生産管理システムの導入は、単なるIT導入ではなく、業務そのものを見直すプロジェクトです。特に宮坂ゴム株式会社のように、複数部門を統合し、運用を標準化するケースでは、導入プロセスの難易度は高くなります。
実際の導入では、月1回の合同ミーティングに加え、随時Zoom会議やメールでのやり取りが行われ、日に数十件を超える問い合わせにも対応が行われました。
こうした密なコミュニケーションにより、
- 現場の疑問や課題をその都度解消できた
- マスター整備や運用設計を着実に進められた
- 大きなトラブルなく本稼働を迎えることができた
といった成果につながっています。
システムの機能だけでなく、「導入を最後までやり切れるか」という観点において、この伴走型のサポート体制は大きな安心材料となり、選定の決め手の一つとなりました。

導入時に苦労した点
導入時に苦労した点
プロジェクト体制と期間
プロジェクト体制と期間
プロジェクトは、7月末頃の初回ミーティングを経て、実質的には8月からスタート。約1年半の導入期間でした。
特徴的だったのは、部門ごとに段階的な稼働を行った点です。
- FNP事業部:5月頃に先行稼働
- ゴム・プラ部門:準備を経て7月頃に本稼働
このように、全社一斉切り替えではなく、準備が整った部門から順次稼働させることで、リスクを抑えながら導入を進めていきました。
プロジェクト期間のうち、約8か月はシステム設定や運用設計、注意点の整理などに充てられており、特に「どう使うか」を決める工程に多くの時間が費やされています。
最終的には一部で約1か月の延伸があったものの、おおむね当初計画に近いスケジュールで本稼働を迎えることができました。
ありがとうございました。
最大の山場はマスター標準化
最大の山場はマスター標準化
導入プロセスの中で、最も大きな負荷がかかったのが「マスター整備と業務の標準化」でした。
導入前の宮坂ゴム株式会社では、部門や担当者ごとに独自の運用ルールが存在しており、多くの判断が現場の経験や暗黙知に依存していました。
紙やExcel、旧システムでは、状況に応じて柔軟に修正・調整することができたため、「多少イレギュラーでも回せる」状態だったといえます。
しかしProAxisでは、工程順序やデータの整合性が前提となるため、そのままの運用を持ち込むことはできません。
従来は“人が合わせていた業務”を、“システムに沿った業務”へと転換したことで、製造業として本来あるべき工程管理に近づいていったのです。
また特に難しかったのが、複雑な外注・内職工程の扱いです。
たとえば、
「A社 → B社 → C社と外注先を順に回る工程」
「一度自社に戻らず、そのまま外注先間で工程が進む流れ」
といった実務上の流れを、どのようにシステム上の工程として定義するかは大きな論点となりました。
今後の課題ですね。一緒に考えていきましょう。
導入を終えて
従来より管理メッシュが細かくなったことで在庫精度が向上
導入を終えて
従来より管理メッシュが細かくなったことで在庫精度が向上
ProAxis稼働後、宮坂ゴム様では在庫精度の向上を実感されていますね。
従来は、棚卸を頻繁に実施しながら在庫との差異確認を行っていましたが、ProAxis導入によって在庫管理の粒度が細かくなりました。
従来は毎月に近い頻度で行っていた棚卸を、年2回程度の運用へ移行しました。
「正しい在庫を持てる状態づくり」が進んでいることが大きな成果です。
ロット管理に加えて棚番管理を整備しました。
「どの品物がどの棚にあるか」をシステム上で把握しやすくなりました。
従来は、担当者の経験や記憶に依存している部分もあり、「どこに何があるか」を把握できる人が限られていました。棚番管理を導入したことで、応援に入った担当者でも作業しやすくなり、現場支援や属人化解消にもつながっています。
MRP処理による手配業務の効率化
宮坂ゴム様では、数万点規模の部品を扱っていますね。
以前は膨大な時間を要していたMRP処理も、現在は1分で実行できるようになり、日々の生産状況に応じて柔軟に手配計画を見直せる体制が整っています。
生産状況に合わせて1日に複数回MRPを実行しています。
在庫の持ち方や工程管理の考え方も見直しました。
従来は、検査前の在庫も製品在庫に近い形で扱われる場面がありましたが、現在は「検査工程を経てOKとなったものを製品在庫として管理する」という流れへ移行しています。
これにより、出荷直前になって不良や数量不足が発覚するといったリスクを把握しやすくなり、工程に沿った運用が定着しつつあります。
コスト意識の向上
ProAxis導入後は、現場実績や各種データが細かく見えるようになったことで、管理者層のコスト意識にも変化が生まれています。
と話す藤森氏。
これまでは見えづらかった情報も、システム上で把握できるようになったことで、「どこで工数がかかっているのか」「どこに改善余地があるのか」を意識しやすくなりました。
今回の導入では、ゴム・プラ部門とFNP事業部で別々に運用していたシステムを、ProAxisへ統合しました。
素材や工程、業務内容の違いもあるため、現時点ですべてが完全に統一されているわけではありませんが、同じシステム上で運用できるようになったことで、将来的な標準化や部門間連携の土台が整いつつあります。
今後は、人員応援や運用ノウハウ共有など、さらに全社的な活用へ発展していくことが期待されますね。
WELLSearchが移行直後の現場運用を支援
本稼働直後、現場からは「これまで使っていた帳票を同じように出したい」という要望が数多く寄せられました。しかし、システムが変わればデータ構造や出力方法も変わるため、旧システムとまったく同じ帳票を再現することは簡単ではありません。
そこで活躍したのがWELLSearch(ウェルサーチ)です。
生産管理システムと連携できる、汎用検索システム。
販売/生産/会計などのデータを呼び出し、帳票形式を指定するだけで生成できます。
WELLSearchとExcel連携を活用することで、従来に近い形式の帳票を柔軟に作成でき、移行直後の現場混乱を抑えることができました。
導入時にはぜひ検討した方が良いツールです。

取材にご協力いただきました

藤森 久部長
ProAxisを導入して感じてる最大の魅力は、WELLSearchです。
ExcelやCSVで出力できるため、これまで使っていた帳票に近い形で運用できる点が非常に助かりました。生産管理システムは“決まった形でしか使えない”と思われがちですが、WELLSearchがあることで、自社の運用に合わせて柔軟に使いこなしていけると思います。ぜひこの点も含めて検討されることをおすすめしたいです。
宮坂ゴム株式会社様、貴重なご意見・ご感想
ありがとうございました。
↓ ↓ ↓ 今回導入したのはこちら ↓ ↓ ↓

キッセイコムテックは、製薬メーカーの情報システム部門から独立した開発チームです。「トレーサビリティ」「厳格な工程管理」「複雑な原価計算」など、高度な管理レベルが求められる環境で40年にわたりIT部門として伴走。これまでに、2,000社以上の導入実績を積み重ねてきました。
製造業のリアルな課題に向き合いながら、 本気で開発したのが生産管理システム「ProAxis(プロアクシス)」です。
見える化も徹底されており、販売計画や所要量計算の結果と最新の実績に基づく需給予測から、安全在庫割れや作業・発注のリードタイム割れをタイムリーに確認できます。その上で、適切に要因を調整し、納期を遵守します。「ProAxis」で見える化することで、業務が格段に効率化することも期待できます。
- 万全のサポート体制
-
「ProAxis」導入にあたっては、要件定義から本稼働まできちんと導きます。
本稼働後もお客様ごとに専用の保守問合せ窓口を用意し、サポート体制を敷いていきますので、不明な点やトラブルがあったらすぐに問い合わせすることができます。
- 全てお任せできる安心感
-
IT基盤の整備は、事業拡大や新しい取り組みを成功に導くための土台です。
当社では、その実現をトータルでサポートいたします。ご不安やお悩みがあれば、どうぞお気軽にお問い合わせください。
私たちが導入しました
私たちが導入しました

第2営業部
中尾
長年ご利用されてきた独自システムからの刷新に加え、部門ごとに異なる運用を統合する必要があり、本プロジェクトは非常にチャレンジングな取り組みでした。
その中で皆様が主体的に取り組まれたことが、今回の本稼働につながったと感じています。営業担当として伴走する中で、私も多くを学びました。本稼働はスタートラインです。今後も業務改善・効率化に向けて、継続的にサポートしてまいります。

第3システムソリューション部
伊澤
これまで自社開発システムを運用されてきたこともあり、システムに関して高い理解をお持ちで、前向きかつ主体的に取り組んでいただきました。WELLSearchを活用した業務帳票の拡充や、ProAxisを中心としたさらなる運用改善など、将来を見据えた取り組みを進められて
います。私たちSEとしても、その高い目標意識と推進力にお応えできるよう、今後も継続的に伴走してまいります。

宮坂ゴム株式会社
http://miyasaka.co.jp/

所在地:長野県茅野市豊平5350番地
創業:1970年 資本金:4,800万円
従業員数:160名 売上高:44億(グループ:150億円)
事業内容:車載用ゴム樹脂製品・精密機器部品・医療機器新機能材料製品・床暖房・銘板・アルマイト等
宮坂ゴム株式会社は、長野県茅野市に本社を置くゴム・樹脂製品メーカーです。1970年に創業し、自動車部品や精密機器部品、医療機器部品、工業用ゴム製品の開発・製造・販売を手がけています。諏訪圏に集積する精密工業の流れを背景に、材料開発から成形、複合加工まで一貫して対応できる体制を構築し、高い品質と技術力で幅広い分野に製品を提供しています。
